英語の音節
acceptという単語の音節数を知っていますか?
ベタベタの日本語で発音すると「ア・ク・セ・プ・ト」と5音節で発音しがちです。
しかし、英語のacceptは、実はたったの2音節です。
「ac」「cept」の2つの部品で音が別れます。
リスニングのときも、「ア・ク・セ・プ・ト」ではなく、「ac・cept」だということを知っていると聞き取りやすいです。
この「音節」の概念は英語を聞く・話す上で非常に重要です。
しかし、日本の学校英語では「音節」の重要性についてあまり触れられません。
音節とは?
音節とは音の塊のことです。
原則として、「音節=母音」です。
「子音」はただの付属品なので、1つの音節の中にまとめて押し込まれます。
つまり、1つの音節の中には「1つの母音 + 0個以上の子音」が含まれます。
この1つの音の中に複数の子音が含まれるというのが日本人には理解しにくいポイントです。
母音・子音とは?
母音とは主に「a・i・u・e・o」のことです。
英語では「ǽ」のように「eとa」を足したような音も存在しますが、「a・i・u・e・o」の派生みたいなものなので、ここでは割愛します。
また、子音とは、「k・s・t・n・h・m・y・r・w」のような部分のことをいいます。
「k・s・t・n・h・m・y・r・w」以外にもありますが、数が多いので割愛します。
たとえば、「ka・ki・ku・ke・ko」から母音を取り除いた部分が「k」という子音です。
日本語では、基本的に「子音+母音」で「1文字」であり「1音節」です。
そのため、母音を取り除いた「子音だけの音」というのが分かりにくいかもしれません。
たとえば、シャドーボクシングのときに「シュッ、シュッ」みたいな声を出したりします。
このときの「シュ」はハッキリとは発音せず「sh」という子音だけの音になると思います。
声帯を使わず(母音を使わず)に発音するので、「shu」ではなく「sh」という子音だけの純粋な音になります。
1音節に複数の子音とは?
「accept」は2音節です。
「ac・cept」で区切ります。
発音記号で言うと「æksépt」を「æk」と「sépt」で区切ります。
「æk」の方はなんとなくわかりますよね?
「母音1(æ) + 子音1(k)」という形をしています。
「sépt」のほうは子音が3つも入っているので少し難しいです。
「子音1母音1(sé) + 子音1(p) + 子音1(t)」
1つの音節の中で子音が複数ある場合には、1つの音節の中で口形を変化させるということです。
1つの音の中で口の形を変化させる?
「ぱ」の話
「1つの音の中で口の形を変化させる」というと難しく感じますが、日本語にもこの概念はあります。
無意識に日本語を習得したので認識していない人も多いと思いますが。
試しに日本語の「ぱ」の音を発音してみてください。
次に、口をできるだけ大きく開いてください。
そして、口を開いた状態のまま「ぱ」の音を発音してみてください。
発音できませんよね?
今度は、口を閉じてください。
そして、口を閉じた状態のまま「ぱ」の音を発音してみてください。
発音できませんよね?
おわかりでしょうか?
口を開いた状態では「ぱ」が発音できません。
口を閉じた状態では「ぱ」が発音できません。
「ぱ」を発音するためには「口を閉じる」→「口を開く」という口の形の変化が必要なんです。
この「音を出す為に口の形を変形させる」という概念がとっても重要です。
「ちょ」の話
「ぱ」に続いて、今度は「ちょ」の音を確認してみましょう。
「ちょ」と発音するときに、音の始まりの時点では「上の歯」と「下の歯」がくっついているのが分かりますか?
また、音の最後の段階では「上の歯」と「下の歯」が離れ、少し口を開いた状態になるのが分かりますか?
つまり、「ちょ」も「ぱ」と同様に1音の中で口の形を変化させています。
今度は「ち」の音を確認します。
「ちーーーーー」と長く発音してみてください。
「上の歯」と「下の歯」が接触していますよね?
この音は「ちょ」の初期状態の口の形と同じです。
次は「よ」の音を確認します。
「よーーーーー」と長く発音してみてください。
「上の歯」と「下の歯」は離れていますよね?
この音は「ちょ」の終了状態の口の形と同じです。
察しのいい読者ならお気づきでしょう。
「ちょ」というのは、実は「ち」と「よ」を合成して連続で発音しているんです。
しかも「ちよ」という2音ではなく、「ちょ」という1音に短縮して。
1音節の中で2つの音を連続で発音する。
日本語の中にも普通に存在する概念でした。
いまいちピンとこない人は「ちよちよちよちよ……」と交互に100回くらい早口で唱えましょう。
脳がバグっていつのまにか「ちょ」という1つの音になると思います。
1音節に3子音
「ac・cept」の「cept」の部分は「c・p・t」の3子音が含まれています。
2子音合成の概念が分かっていれば、3子音になってもそこまで難しくないと思います。
ためしに「cept」の「pt」の部分だけ練習してみてください。
「pt・pt・pt・pt・pt……」
「pt」の音が分からない人は、
「p・t・p・t……」と交互に繰り返してください。
そのうち「pt」という1つに合わさった音が出てきます。
次は「cept」の「cep」の部分だけ練習します。
「cep・cep・cep・cep・cep……」
「cep」は1音節の中で「ce→p」へ口の形が変化します。
「pt」は1音節の中で「p→t」へ口の形が変化します。
「cept」は「ce→p→t」と口の形が2段変形するだけです。
日本語における口形2段階変形
たとえば「シャンプー」と発音してみてください。
おそらくほとんどの人が「シャン・プー」と2音節で発音すると思います。
「シャン」という1音節を発音する中で、「シの口の形 → ヤの口の形 → ンの口の形」という変形を無意識で行っているはずです。
つまり、2段階変形(3子音)も難しくない。
そういう音の仕組みがあるとうことさえ理解していれば発音も難しくありません。
そして、自分で発音ができれば、リスニングのときもすっと音が耳に入ってくるようになります。
英単語を辞書で調べるときは「音節」にも注目しましょう。
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